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幕の間の出来事23: 2008年有元利夫展開催にあたって
 


今年も小川美術館にて有元利夫展を開催致します。みなさまに楽しんで頂ければ当館も嬉しく思います。ただ、申し上げるまでもありませんが、些細な行動が作品を永遠に損なってしまう可能性を含んでいます。作品を傷つけないために、混んでいる作品は時間をずらしてご覧頂き、大きな荷物や先の尖ったもののお持込はお避け頂くなどのご協力をお願いいたします。また、当館は私営で一般公開のために設立されておりませんため、お手洗いやクロークの設置は義務付けられておりませんことをご理解下されば幸いです。

 

展覧会名:有元利夫展
会   場:小川美術館
会   期:2008年2月25日(月)−3月8日(土)
開館時間:11:00−17:00(入館は16:30まで)・会期中無休

 

有元利夫が敬愛していた戦後日本美術を代表する彫刻家・若林奮(1936−2003)の展覧会が横須賀美術館にて開催されています。若林奮は空間や表現について独自の哲学をもち、主に鉄を素材に選び作品を制作しました。またその立体作品と同様に、作品や表現について語る作家の言葉は、まるで詩のような魅力があります。

 

自分の部屋の中に森をつくることを考えていた。1984年の「森のはずれ」以後、 別の場所では、植物や土や鉄、コンクリート等の素材に水や空気を含めて外部の空間を構成する作業がはじまっていた。(中略)
現実的に植物や土などに関連しながらの作業でなくても、以前から私は自分が自然の一部であることを確実に知りたいと考えていた。その確認のために様々なものを観察し、彫刻や絵をつくることが必要であった。例えば、一本の樹や犬や崖を見る場合、それらまでの距離や、大きさやその色の具合等を見る。しかし、これは 相対的なものであると思いはじめる。観察は多様になり、それにしたがって確認の作業も多くなる。更に、自分と目の前にある樹や崖や犬は自分と共通の場の上にあるのではないかと気付くことがある。それは、そのあたりを支配する雰囲気に自分が従うからである。その場を自然といってもよい。自分の対象として見るものは限定するが、自然になにかしらの限定があるのかわからない。まだ自分が自然とどの様な関係があるのか不明瞭なのである。・・・

若林奮「所有・雰囲気・振動―森のはずれ、1981−1984」、『若林奮ノート』2004年より

 

展覧会名:若林奮展
会   場:横須賀美術館
神奈川県横須賀市鴨居4−1
会   期:2008年2月16日(土)−3月16日(日)
休 館 日:3月3日(月)
開館時間:10:00−18:00
観 覧 料:一般800円、高・大生・65歳以上600円、中学生以下無料
お問合せ:046−845-1211
www.yokosuka-moa.jp/

 

 
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